膝 痛み

身体を支える器官

人間の身体は、様々な器官によって支えられています。
その支えがなければ、基本的に二足歩行はできません。
二足歩行は人間へと進化した大きな第一歩ですから、人間の進化は支えの進化から生まれたと言っても過言ではないでしょう。
そんな人間の身体を支える器官は、腰より下、つまりは下半身ということになります。
その中でも、特に『腰』と『膝』が担う役割というのは、非常に大きいですね。
腰は下半身と上半身をつなぐ架け橋ですし、膝は人間の体重の大半を支える器官です。
腰自体の重さも、膝が支えています。
膝がなければ、人間はまず長時間立つこともできないでしょう。
こういった支える働きを担っている器官は、単に強く大きな骨があるというだけではありません。
特に膝は、頑丈というわけではありません。
では、どうやって人間の体重を支えているのでしょう。
その秘密は、構造にあります。
膝は、骨や筋肉組織だけでなく、軟骨や半月板、関節包といった器官で構成されています。
これらは、骨と骨の継ぎ目でクッションの役割を果たしており、上体の重さや動きによって生じる負荷を緩和させる役割があるのです。
これによって、人体は理論的にバランスを保っているのです。
この膝に痛みが生じると、かなり危険です。
痛みはつまり、膝が正常な状態ではないという信号です。
バランスを司る膝が故障すると、人間は歩行できなくなり、立つ事まで叶わなくなります。
いかに膝が大事な部位か、この事実が何より物語っています。

膝の役割と重要性

人間の身体には、それぞれに役割というものがあります。
そしてその役割に沿えるように、それぞれの器官はとてもよくできています。
頭蓋骨は脳みそを守るために硬く頑丈にできていますし、耳は音を効率よく集められるような形状になっています。
これが、人体の神秘。
人間が人間となった、英知の証明と言える進化です。
そして、それは当然膝に関してもいえることです。
膝は、人間の身体の構造上、常に強い負荷をかけられる部位です。
二足歩行をする人間の体重は、二本の足に非常に大きな力を加えます。
人間の足は、腕と比較すると3倍の力があるとは言われています。
しかし、決して特別太く大きな骨で形成されているわけではありません。
もし、そんなゴツイ骨で足ができていたら、おそらく歩行時、走行時にかなり不都合が生じるでしょう。
ですから、足を適切な太さにする代わりに、膝という器官によって体重をうまく分散させているのです。
この膝という器官は、日常における歩く、走るといった行動時には、それほどその重要性については認識できないかもしれません。
ですが、実際には非常に重要な役割を担っています。
例えば、膝に痛みがある時にあえて長距離歩いてみると、それがわかります。
膝に痛みがあるということでかなり苦労しますが、それだけではなく、全身が異様に疲労するのです。
膝がクッションとしての役割を果たさないと、通常は緩和されるショックが全身に大きなダメージを与え、筋肉が痛むのです。
太ももやふくらはぎはもちろん、上半身も疲労感が漂うことになるでしょう。
膝は、それだけ大きな役割を担う器官なのです。

膝と関節の関係

膝という器官は関節のひとつだと思っている方が結構いるようです。
実際、膝と関節はほとんど一体化してはいますが、実際には膝は関節そのものではなく、膝の裏側にあります。
よって、膝と関節は同一のものではありません。
膝は脚中央部の前面部で、その後部に関節があるということになります。
ただ、この膝と関節は一蓮托生、一心同体というわけではありませんが、セットのものだと考えても差し支えないでしょう。
膝の役割である体重の支えと分散を、膝関節も同時に担っているからです。
もしも関節がなければ、膝はほとんどその役割を発揮する事ができないでしょう。
そういった、体にとって重要な役割を共有している膝と膝関節ですが、同時に厄介な部分も共有しています。
それは、痛みです。
例えば、膝関節に炎症を起こしてしまったとします。
原因は病気や運動のし過ぎなどいくつか考えられますが、こういった状況に陥った場合、人間の身体は不思議な現象を引き起こします。
膝関節ではなく、膝が痛くなってしまうのです。
本来は関節のほうに問題を抱えているにもかかわらず、膝が痛くなってしまうので、痛みの原因の追究に時間がかかるケースがあります。
こういった膝と関節の関係は、知っておかないといざという時にビックリしてしまうかもしれません。
膝に痛みが走った時、その原因はいくつか考えられますが、もし他に該当する理由がなければ、関節の負傷や病気についても検討の必要があるでしょう。

膝の痛みと日常生活

膝という部位は、よく痛みを発症します。
人間の身体では、腰と膝がよく痛みを持つ部位ですね。
それはやはり、身体を支えるという役割ゆえに、かかる負荷が強いためです。
膝が痛む理由は様々ですが、その痛みの種類というのもいくつかあり、チクッと鋭く痛むケースもあれば、シクシクと鈍く痛むケースもあります。
また、短期間痛み、その後回復してまた痛むというパターンや、小さい痛みがずっと続くというパターンもあります。
そして、これらの痛みの種類によって、日常生活の送り方も変わってきます。
膝の痛みは、比較的多くの人が経験するものなので、あまり病院にいくという対象にはなりにくいというのが実情です。
その為、常に膝の痛みを抱えながら日常生活を送っているという人はかなり多いのではないでしょうか。
しかし、実際にはそれは時に非常に危険な状態を生み出してしまうことにつながります。
膝の痛みはいろいろな理由がありますが、その中には放置しておいても問題のない理由と、そうではない理由があります。
例えば成長期に人は膝が痛くなるものですが、その痛みに関しては、特に病院へ行く必要はありません。
ですが、いくら成長期の子供であっても、その痛みが成長期によるものという断定はできません。
もしかしたら、病気による痛みかもしれません。
にもかかわらず、勝手に判断し、そのまま放置していると、取り返しのつかないことになります。
そうならない為には、痛みの質をしっかりと検証し、判断する必要があります。

膝の痛みの主な原因

人体の中でも、特に痛みを抱える機会が多いと言われている膝ですが、実際その原因となる事項は多いようです。
人間の身体というものは、常にどこかしらに負荷がかかっているものです。
特に、作業をする場合は、その体重が大きな負荷となり、それを支える下半身は疲労することになります。
従って、人間の身体で最も負荷がかかる膝に痛みが生じるのは、自然の摂理と言えるでしょう。
ただ、こういった日常の負荷だけが原因ではありません。
実に様々な傷みが膝を襲います。
膝の痛みは大きく分けると、6つの原因があると言われます。
『加齢』、『成長期』、『怪我』、『過負荷』、『病気』、『体重増加』の6つです。
このうち、最初の二つ、加齢と成長期に関しては年齢の問題です。
ただ、前者と後者ではかなり大きな違いがあります。
成長期による痛みはいずれなくなるので、よほどひどい痛みでなければ病院へ行く必要はありません。
しかし、加齢による痛みの場合は、逆に痛みがなくなることはありません。
その為、病院に行っても無駄と考える人が多いようですが、これは誤りで、病院に行く事で痛みを緩和する方法を教えてもらう事ができるかもしれないのです。
同じ痛みでも、適切な処方によって緩和された痛みと、野放し状態の痛みとでは、その度合いがまったく違います。
可能ならば、年配の方は病院に行って医師に相談をしましょう。
怪我や病気に関しては、言われるまでもないでしょうが、病院へ行かないといけません。
ただ、病気に関しては、自分がそうだと気がつかないケースもかなりあるので注意が必要です。

加齢と膝の痛み

現在の高齢化社会において、加齢による膝の痛みはひとつの社会問題といえます。
膝の痛みを抱えている高齢者の方はかなりの数に上り、それによって歩行が困難となり、二階建て以上の建物への移動が難しくなったり、長距離の歩行が困難になったりして、徐々に外出をしないようになり、寝たきりになっていくという現象があちこちの地域で見られます。
膝がいかに人間の活動を支えているかがわかる事例ですね。
加齢による膝の痛みは、ある意味仕方のないものです。
長年体重を支えていくと、人間の膝の軟骨や関節包、滑膜といった部分がすり減っていき、クッションの役割を果たせなくなるのです。
骨と骨の間を包み込むようにして継ぎ目の摩擦を抑えている関節包がすり減っていくと、骨同士がこすれるようになり、ひどい激痛を襲います。
こうやって、人はどんどん痛みを抱えていくのです。
ですが、諦めてばかりでは解決しません。
すり減った関節包や滑膜は残念ながら増強できませんが、それ以上の痛みの進行を抑える事は可能ですし、状況によっては大きな緩和が可能です。
特に、こういった加齢による痛みは、病気による膝の変形の温床となっているので、早めに緩和させる事が重要となっています。
早期発見、早期治療が大切という事です。
高齢者の方は、膝の痛みをあまり我慢せず、なるべく早く病院へ行って診てもらう事をお勧めします。
そこで、日常をどうやって過ごせば膝の痛みを和らげる事ができるか、病気にならずに済むかを学ぶ事で、新しい道が開けるのです。

成長期における膝の痛み

膝の痛みというと、色んな原因が考えられますが、その中で人生の最初にそれを引き起こすのは、やはり成長期かと思われます。
成長期という時期は、非常に体の変化が顕著です。
一ヶ月で身長が数センチ伸びるというのは、決して都市伝説ではありません。
割と頻繁に見られる変化です。
それくらい、成長期という時期には身体が日に日に大きくなっていくのです。
ただ、すべての部位がバランスよく成長していけばいいのですが、必ずしもそうではないというのが、この成長期の厄介な点です。
たとえば、身長が伸びて骨が成長している一方で、筋肉がそのままだったりすると、骨が筋肉を必要以上に圧縮し、痛みの原因となる事があります。
骨が隆起して膝にねじれを生じさせるということもあります。
これは『有痛性分裂膝蓋骨』という状態で、こうなると「成長期だから当たり前」と言っていられなくなります。
また、成長期の真っ只中である中学生の時期などは、部活動を盛んに行います。
そこで、まだ身体が発達しきれていないアンバランスな状態だと、激しい運動に膝が耐えられず、悲鳴を上げるというケースが目立ちます。
特に、バレーなどの競技では、ジャンプによる負荷で膝蓋骨が一部剥離してしまう事があり、痛みを生じます。
これは俗に『ジャンパー膝』と呼ばれているものです。
これ以外にも、テニスや野球の守備の構えの際、常に膝を屈めた状態でいると痛みが生じるというパターンも見受けられます。
成長期の膝の痛みと言っても、結構種類はあり、場合によっては治療が必要となります。

過負荷による膝の痛み

膝には、常に大きな負荷がかかっています。
立っているだけでも、人間の体重のほとんどが負荷となり、膝を常に刺激しているのです。
ただでさえそういった状態なのに、そこでさらに負荷がかかるような行動を取ることで、膝が突然故障するということは、日常の中で十分にありえます。
膝への過負荷は、膝の痛みを生む要因としては一番多いかもしれません。
日常における膝への過負荷で多いのは、荷物運びですね。
突然重い荷物を持つと、よくギックリ腰になると言われています。
ですが、怖いのは腰だけではありません。
膝もまた負傷対象の一つとなり得るのです。
特に、引越しの際に重い荷物を他の人から受け取る時が危険です。
膝を伸ばした状態で重いものを受け取ると、膝が悲鳴をあげる事があります。
こういった場合は、うまく膝を曲げてクッションを作ることが必要です。
膝の痛みが起こる要因は、こういった日常であまりない出来事だけではありません。
何気なく座っている時でも、常にその危険とは隣り合わせです。
特に深い意味もなく、足に体重を乗せたりしていると、突然膝が痛くなる事がありますよね。
それくらいであれば、痛みはすぐに引きますが、これが例えば無理な体勢で座っている場合などは、結構危険です。
できれば、テレビを見る時やパソコンを使う時などは、お尻にしっかり体重をかけて、あまりおかしな体勢でいないことをお勧めします。
何もしていない、ただテレビを見ていた時に膝を痛めたという例は、実は意外と多いのです。

怪我による膝の痛み

数々ある膝の痛みで一番強烈な刺激となるのは、やはり怪我による痛みでしょう。
そしてその要因として一番多いのは、スポーツによる怪我です。
プロスポーツ選手が膝を痛めるというのは、非常に多く聞かれる事例です。
特に、サッカーに関してはそれが顕著で、毎年多くの有名選手が膝を痛めて長期離脱しています。
それは、ヨーロッパの有名な選手であっても例外ではありません。
むしろ、優れた選手ほど膝の怪我は多いですね。
なぜなら、それだけマークされてしまい、反則まがいのタックルを受ける機会が多いからです。
膝の損傷で特に多い事例は、半月板の損傷と十字靭帯の損傷です。
半月板というのは、膝の中の骨と骨の間にある板状の部位で、いわゆるクッションの役割を果たしています。
よって、急激な負荷が膝にかかると、ここを損傷することになるのです。
半月板を損傷すると、半年~1年、あるいはそれ以上の離脱となるケースが多く、非常に重い怪我となります。
十字靭帯は膝関節の中にあり、膝の上の骨と下の骨をつなぐ役割を担っています。
膝に大きな衝撃を受けるとこの靭帯が切れたり痛んだりして、脱臼に近い状態になります。
膝の骨が宙ぶらりんになって、肉や血管を痛める事にもつながる、かなり厄介な怪我です。
こちらも、大きな怪我となると1年以上をリハビリ生活に費やすことになります。
こういった怪我は、膝の痛みとしては最大級レベルで、屈強な肉体を誇るスポーツ選手が涙を流して悶える姿が、何よりそれを物語っています。
普通の生活をしている人たちも、交通事故などでこれらの怪我を負う可能性は十分あるので、日常生活では常に注意をすることが必要となります。
場合によっては、一生歩けなくなる可能性もあるのですから。

体重増加で生じる膝の痛み

体重による負荷は、膝が一番大きく受ける外力です。
つまり、この体重が平均よりかなり重い人は、それだけ膝にかかる負担が大きくなるという事になります。
同時に、膝の痛みの大きな要因となるわけです。
人間の身体は、上半身や下半身の脂肪がたくさん付いたからといって、骨や靭帯まで頑丈になるわけではありません。
よって、太れば当然膝が痛みを生じますし、下手をすると怪我にもつながります。
肥満体の人が、日常生活の何気ない動作の中で膝を損傷するケースはかなり多く、体重増加は膝の痛みだけでなく、怪我に直結することになります。
かなり危険な状態であることは明らかなのです。
近年、メタボ健診が始まった事で、メタボリックシンドロームおよび肥満に対する関心はかなり高まっています。
ですが、その肥満によってもたらされる悪影響は、病気ばかりが取り挙げられ、膝の痛みに関してはさほど関心が寄せられていません。
しかし実際には、膝への負担も非常に大きな悪影響なのです。
極端な話、肥満体の人はうつ伏せで寝転ぶだけでも膝に大きな負荷をかけている事になります。
疲れて屈むだけでも、相当なダメージを与えているのです。
日常からそれほど大きな負荷をかけているとなると、何かのきっかけでそれが爆発するというのは、不思議でも何でもありません。
必然といえます。
この体重増加による膝の痛みは、現在かなり問題となっています。
肥満体、隠れ肥満の人が増えているからです。
メタボ健診では、ぜひその事もアドバイスとして欲しいところですね。

病気による膝の痛み

人間の身体が痛みを覚える原因は、細かく分けると無限にあります。
しかし、痛みが訴えることはひとつ、健常ではないというシグナルです。
つまり、不健康な状態であるという証を痛みが教えてくれるのです。
そういう意味では、膝という部位は、かなりの頻度で不健康な状態にあるといえます。
その中でも特に不健康な状況といえば病気ですね。
膝の痛みの中で一番厄介なのが、この病気による痛みです。
痛み自体は、怪我による痛みの方が大きいでしょう。
ですが、病気の場合は治療をしないとあるいは治療をしても一生そのままという怖いリスクがあります。
何より、怪我のように原因がはっきりしない、自覚しにくいのが厄介です。
膝の痛みがあったとしても、それをすぐに病気と特定できる人は、決して多くはないかと思います。
なので、そのまま放置していて、結局完治が不可能な状態にまで悪化させた人がこの世の中には大勢いると思われます。
膝の痛みの元となる病気というのは、膝の関節が原因となるケースが多いですね。
特に、中年女性に多く見られる病気として「変形性膝関節症」が挙げられます。
この変形性膝関節症は、決して不治の病ではなく、適切な時期に適切な治療を受ければ、必ず改善されます。
しかし、この病気を自分が患っている事を気づく人は少なく、結果として痛みが慢性化することが多いのです。
そうならないよう、膝が原因不明の痛みを発した場合は、加齢によるものだと決め付けずに病院へ行くようにしましょう。

変形性膝関節症の定義

ある程度長く生きていると、必ずしも健常体でいられるとは限らなくなってきます。
それは、仕方のない事といえます。
どれだけ健康に気を使っていても、癌になる人はなりますし、交通事故で身体が動かなくなる事もあり得ます。
それは、ある意味人間の抱える運命と言えます。
老化という現象が人間の身体に宿命付けられている以上、いつまでも健康というわけにはいきません。
実際、膝に関しても、60、70と年齢を重ねている状態まで万全の状態を保つのは不可能です。
例えば、毎日しっかりと歯を磨いて管理していても、いつかは歯茎が衰え、歯は抜けていきます。
それと同じで、膝の中にある軟骨は確実にすり減りますし、筋力も衰えます。
そうなると、膝の関節が炎症を起こしたり、変形したりします。
これが「変形性膝関節症」という病気の定義です。
老化を始め、様々な要因から膝関節が炎症を起こし、また変形してしまうのです。
変形というと、事故や重い病気で骨が曲がったりするようなものを想像してしまいますが、そこまで極端な変形ではなく、筋力の低下などで少しずつ定位置からズレるという状況を指します。
それでも、非常に厄介な状況なのです。
変形性膝関節症は、軟骨が一定以上すり減った場合に特によく起こり、50歳を過ぎてくるあたりから患者数が非常に増えてきます。
その為、これくらいの年齢の方で膝に痛みが発生したら、まずこの変形性膝関節症を疑いましょう。
加齢による必然的な痛みとはいえ、甘んじて受ける必要はありません。
病院へ行って治療することで、回復は無理でも、それ以上の悪化は防げます。

変形性膝関節症の主な原因

数ある膝の痛みの中のひとつに、膝の病気というケースがありますが、その中でも一番多くの高齢者が抱えている病気は、恐らく「変形性膝関節症」ではないでしょうか。
そして同時に、この変形性膝関節症は高齢化社会が進む中で毎年患者数を増やしている病気でもあります。
このままだと、国民病と呼ばれるような病気となり、誰もが痛みを抱える事態になってしまいかねません。
ただ、現時点では変形性膝関節症に対する劇的な治療効果や予防効果を発揮する方法が、なかなか確立できていません。
というのも、変形性膝関節症は、今のところはっきりした原因がわかっていないのです。
変形性膝関節症は、関節軟骨がすり減ることで起こる病気です。
ただ、加齢による自然磨耗だけでは、病気にまで発展するケースはそう多くありません。
その為、詳しい原因が不明といわれています。
外傷による二次性の要因はある程度はっきりしていますが、一次性の要因は、現時点では解明されていないのが現状なのです。
一応、仮説はいくつか確立されています。
例えば、軟骨気質の変異です。
こういった現象は、主にホルモンの変調によって起こる為、その方面での原因が仮説として挙げられています。
関節軟骨中の成分がバランスを崩し、新しい別の関節軟骨を体が作る事で、膝が痛んでいるというメカニズムのようですね。
また、成分が過剰生産されるケースや、酵素の暴走なども考えられています。
この他にも、関節軟骨と隣接している骨の損傷や、血液循環の不順などが原因と見られていますが、どれも決定打に欠けているのが現状です。

変形性膝関節症の主な症状

変形性膝関節症の初期段階は、膝に違和感を覚える程度で、痛みはほとんどありません。
この時点で変形性膝関節症を疑う人は、まずいないのではないでしょうか。
ただ、重い荷物を持った時や、無理な体勢をとった時などに膝が痛むということはあります。
しかし、それによって「膝がちょっと変だ」と感じても、すぐにその痛みは治まるので、病院へ行くという考えはまず出てこないでしょう。
この初期段階からある程度時間が経つと、徐々に中期の症状が出てきます。
この段階で、膝の痛みは慢性化してくるのです。
違和感が明確に痛みへと変わり始め、正座をしたり階段を上ったりする時にはかなりの痛みが出てきます。
病院へ行く意思のある人であれば、この段階で大抵医師に相談しに行く段階ですね。
この中期段階では、膝の外見にも変化が見えてきます。
赤く腫れたり、熱を持ったり、むくんだりするようになります。
明らかにおかしいと感じるのは、あるいはこの外見の変化を目の当たりにした時かもしれません。
これをさらに放置していると、末期症状へと進行します。
立ち上がる事も困難になり、膝の形も変形が顕著で、関節がかなり目立つようになってしまいます。
こうなってくると、日常生活に大きな影響を与える事となり、外出もできなくなっていきます。
高齢者の方の場合は、それが原因で欝や認知症を引き起こすケースが非常に多いようです。
こうならない為には、できるだけ早期に、遅くても中期の段階で病院へ行き、正しい指示を仰ぐことが必要なのです。

変形性膝関節症に注意が必要な人

膝の病気のひとつである変形性膝関節症は、比較的患者の傾向がはっきりしている病気です。
まず、一番顕著なのは、高齢者ほどこの病気になりやすいという点です。
年齢を重ねれば重ねるほど、病気になる可能性が高くなります。
特に、50歳を超えたあたりからその可能性は一気に上がるので、注意が必要です。
男女別で見ると、男性と比較して女性の方がかなり多いのがわかります。
特に、60歳以上の女性の場合は、約4割が変形性膝関節症の兆候が見られるようです。
完全に痛みがあるわけではないものの、違和感を膝に覚えるという人は非常に多いみたいです。
それに対し、男性はその半分以下です。
なぜ男性より女性の方が多いのかというと、それは実はハッキリしていません。
というのも、変形性膝関節症自体の一次的な原因が明確にわかってはいないからです。
ただ、女性にはO脚の人が多く、それが原因のひとつと言われています。
O脚は、女性の座り方特有の変形で、これによって膝に負担がかかる体型となってしまい、軟骨の磨耗が激しくなってしまう、という見解が成されています。
実際、かなり有力な説と言えるでしょう。
また、ハイヒールなどによって足の体重分散が上手くいかないという説もありますが、これは60歳以上の高齢者にはあまりあてはまらないので、確実とは言い辛い説です。
とはいえ、女性が男性と比較し、より美への意識が強く、その結果アンバランスな負荷のかかる体型や服装をしていて、その結果、変形性膝関節症となりやすい状況を作っているというのは、あながち間違いとも思えません。
変形性膝関節症はかなりの痛みを伴う病気です。
老後の生活のことを考えるならば、若いころの若干の痛みを我慢して、O脚の矯正を行っておいた方が良いかもしれません。

変形性膝関節症を診断する方法

自分が変形性膝関節症であると判断する為には、病院へ行って診断を受けるのが一番確実です。
ただ、まだ働いているという人にとって、病院へ行くという選択肢はなかなか実現が難しいのも事実です。
そうなってくるとどうしても後回しになってしまうのが、この変形性膝関節症の厄介な部分です。
膝の痛みは、激痛であれば病院へ行く気にもなりますが、鈍痛の場合はなかなかそこまでは思い立たないものです。
これが仮に頭痛であったり、胸の辺りであったりした場合は、重大な病気を思い浮かべる人も多いでしょうが、膝の痛みは成長期に経験している人がほとんどなので、あまり危機感を持たれないのです。
その為、病院へ行く人はそう多くないのです。
それなら、いっそ自分で診断してみよう…という事で、自分で変形性膝関節症かどうかを判断する基準をいくつか紹介します。
一つや二つ該当したからと言って、必ずしも即病気というわけではありませんが、半分くらい該当する人はすぐに病院へ行った方が良いでしょう。
まず、階段の上り下りの際に膝の痛みがある場合。
正座をした時に膝が痛み、耐えられない場合。
膝をまっすぐ伸ばせない場合。
膝の皿の上を押してみると、張りを感じるという場合。
膝の感覚がやや麻痺している場合。
左右の膝の形が少しでも異なっている場合。
膝と膝の間に大きな隙間がある場合。
膝の屈伸時に妙な音がする場合。
これらの症状が半分ほど該当する場合は、病院での診断を受けましょう。
こういった症状については、問診の際に聞かれる事もあるので、あらかじめ把握できている分、円滑に診断が進むでしょう。

変形性膝関節症の保存療法

残念ながら変形性膝関節症になっていると診断された場合、当然ですがその治療法を探っていくことになります。
とはいえ、一度すり減った軟骨を元に戻すことは不可能で、つまりこの病気を完治させる事は非常に厳しいというのが、現代医学においての現状です。
ただ、痛みを緩和させる、あるいはほとんど感じないくらいにしてしまう事は可能です。
その為には、適切な治療によって痛みをあまり感じないような状態に膝を戻す必要があります。
その方法の中の一つに、保存療法というものがあります。
保存療法とは、簡単に言えば外科手術をしない治療方法です。
外科的な処方をせず、患部を保存した状態で治療するということですね。
この治療方法が有効かどうかというのは、その人の病気の進行度にもよります。
手術をしないとどうしようもないというケースも当然出てくるからです。
逆に言えば、ある程度軽度な状態であれば、リスクのある手術という選択肢を選ばずとも、痛みを緩和させる方法があるということですね。
変形性膝関節症の保存療法は、主にリハビリテーションや薬物療法、装具療法などが該当します。
リハビリテーション、すなわちリハビリというと、事故や病気で動かなくなった部位を動かすようにする治療ですから、変形性膝関節症の改善もその事項にあてはまります。
ただ、これで骨や関節の変形を直接矯正するのではなく、筋肉を適切な量つけて、その筋肉によって膝を支え、体重による負荷を軽減し、病状の悪化を防ぐというのが第一です。
さらにその筋肉によって、関節の稼動域を増やしていき、歩きやすい状態に持っていくという目的もあります。
装具療法の場合は、装具を使用してトレーニングを行い、改善していくことになるでしょう。

変形性膝関節症の薬物療法

保存療法の一つである薬物療法は、ある程度症状が進行している場合や、身体的にリハビリが難しい状況にある人に対して行われます。
当然ですが、薬物療法は、薬物を投与することで、変形性膝関節症に対して有効な効果を得る事が目的ですね。
薬物療法を試すにあたり、一つ絶対に知っておくべき事があります。
変形性膝関節症を劇的に治癒させる薬は、この世には存在しないということです。
この薬物療法は、膝の痛みを軽減させる鎮痛剤や、患部を冷やす湿布、膝に水を溜めにくくする漢方薬などを使用します。
しかしこれらは、あくまでも辛い部分を緩和させる為のものや、これ以上の悪化を防ぐ為の薬であって、変形性膝関節症を根本から取り除く効果があるわけではありません。
この薬物療法も、根気強い治療が前提と言えます。
薬物を使用した治療方法は、リハビリなどと併用して行うことも少なくありません。
リハビリである程度膝の周囲の器官を鍛え、改善していく過程では、多少無理をすることも必要です。
そうなれば、痛みも当然出てきます。
その痛みを薬物で和らげることで、リハビリの苦難を緩和させる事ができるのです。
そういう意味では、保存療法は運動と薬の両面からのアプローチと言えるでしょう。
ただ、薬物療法には、少なからずリスクがあります。
それは副作用です。
効果の強い薬の場合は、大抵の場合副作用があり、その副作用によって苦しい思いをするケースもあります。
とはいえ、変形性膝関節症に使用する薬の副作用は、それほど辛いものではないので、そこまで心配する必要はないでしょう。

変形性膝関節症の温度差療法

膝の病気として最もメジャーな変形性膝関節症の有効な治療方法として、「温度差療法」というものがあります。
この療法は、温熱療法と冷却療法を共に行い、炎症を和らげるという方法で行われます。
それぞれに効果がありますが、これを交互に行う事でさらに効果が高まるのが、この療法の特徴と言えるでしょう。
まず、温熱療法ですが、これはお風呂やサウナに入るというものではありません。
膝だけにお湯で浸したタオルをあて、それをラップで包んで温度が逃げにくい状態にしてしばらくそのままにしておくという方法をとります。
もちろん、お風呂でお湯につかるのも有効ですが、お風呂だと長時間は難しいので、局所的に温めるのです。
できれば一日数回、断続的に行うと良いですね。
温熱療法は温める事で血行をよくし、新陳代謝をよくすることで、痛みを緩和できるという仕組みになっています。
年間いつでも有効です。
お風呂だと夏場はかなりきついですが、局部なのでそう辛くもありません。
一方の冷却療法は、炎症を抑えて痛みを軽減するために行います。
膝が腫れていたり、むくんでいたり、熱を持っていたりして痛みがある時に有効です。
方法としては、アイスノンを利用したり、氷嚢を使ったりするのが望ましいでしょう。
ただのビニール袋を使う場合は、氷水で浸し、タオルでくるむと、丁度良い温度になります。
直接だとちょっと冷たすぎるので、注意が必要です。
一度に冷やす時間は、30分程度が望ましいでしょう。
この二つの療法ですが、交互にやるとは言っても、どちらかが終わった後にすぐ行うのはあまりお勧めできません。
1時間くらい置いた方が良いでしょう。
肌が傷む原因になります。

変形性膝関節症の運動療法

変形性膝関節症の場合、ひどい状態になると、膝にかなり不自然なねじれが生じていたり、歪んでいたりします。
それは実際に外見からもわかるくらいの歪みとなっていることが多く、かなり痛々しい状態と言えます。
この場合、痛みはかなり厳しい状態になっていますが、緩和だけでなく、外見上の整形という意味でも、運動療法が必要となります。
運動療法というのは、簡単に言えばリハビリです。
変形してしまった膝の形を可能な限り矯正し、少しでも痛みと外見上の歪みをなくす為の方法なので、ある程度症状が進んでいる人は、この運動療法で改善を図る事になります。
変形性膝関節症の運動療法は、大腿四頭筋の鍛錬が中心となります。
この部分を鍛える事で、膝をサポートする筋肉が強くなり、膝の矯正に繋がります。
痛みもかなり和らぐ事が考えられます。
ただ、この大腿四頭筋だけでなく、太もも全般の筋力強化が重要です。
膝を支えている筋肉をしっかり鍛えれば、変形性膝関節症のそれ以上の悪化は確実に防げるのです。
しかし、この運動療法は結構つらいです。
特に高齢者が多い変形性膝関節症では、運動療法を行おうとしても、なかなか長続きしないのが実情のようです。
その為、最近ではお年より向けにプログラムされたエクササイズが人気を集めています。
身体にできるだけ負担をかけないように、効率のいいプログラムになっているので、根気さえあればどんな人でも継続は可能です。
一方、やりすぎも膝への負担になるので、しっかりとプログラムを守る事が重要です。

変形性膝関節症の手術療法

ある種、変形性膝関節症の治療における最後の手段と言えるのが、手術療法です。
実際にはこれが最後の手段と言えるほど後回しにするような方法というわけでもないのですが、予後の事やコストの面を考えると、やはり最後という事になるのでしょう。
手術による改善は、他の方法と比較した場合、やはり歴然とした違いがあります。
とはいえ、慢性的な変形性膝関節症に対して手術療法を施す事はほとんどありません。
手術は、基本的には半月板が損傷している場合や、病気による変形などが見られる場合に行う治療方法です。
軟骨のすり減りがそれほど多くない場合は、半月板を治すための関節鏡手術を行います。
また、変形が大きい場合は骨を削ったり切ったりする手術を行う事もあります。
これだけ聞くと、かなり怖い手術に思えますが、実際にはほとんどリスクや痛みはなく、合併症の心配もほとんど必要ないので、不安を必要以上に煽ったり、溜め込んだりする必要はないのです。
あまりにも症状が酷い場合は、人工膝関節全置換手術を行う事もあります。
名前の通り、人口の関節に置き換える手術です。
こちらは結構大掛かりな手術ですが、それでもさほどリスクはなく、実際1年間で数万件の術例があるほど人気を集めている手術です。
ただ、手術というのはどうしても回復に時間がかかります。
2~3ヶ月程は痛みも残り、会社勤めも難しい状況となるので、それが原因で受けられない人も多いくらいです。
通院も大変なので、周囲のサポートがないと治療法としてはなかなか選択できないというのが実情ですね。

膝に溜まる水とは

膝の痛みの原因のひとつとして、よく「膝に水が溜まっている」ということが聞かれます。
特に、スポーツ選手や肥満体型の人がこのような状態になっているようですね。
この膝に水が溜まっている状態というものは、実際に普通の水が溜まっているのでしょうか?
実は、この場合、本当の意味での水とはちょっと違います。
膝に溜まる水は、「関節液」と呼ばれる滑液です。
滑液は、膝の一部である滑膜から分泌される液体で、これによって関節はスムーズに動けるようになります。
車に詳しい人であれば、潤滑油というものをご存知でしょう。
車体の中では、歯車などの機械部位がスムーズに摩擦なく動かせるよう、常に油を機械全体に流しているのですが、その潤滑油は、元々人間の身体の構造における滑液の働きをヒントに作られたものです。
潤滑油が漏れると、車は故障します。
人間も同じですね。
滑液が膝関節に溜まると、膝が腫れ、張りやむくみが生まれ、動きにくくなってしまい、悪化すると、ひどい痛みと共に歩くのも困難となります。
膝に溜まってしまう滑液は、血しょうの濾出液が基本となり、そこにヒアルロン酸の多糖体が加わっているものです。
滑液の役割は、単に膝を円滑に動かすための潤滑油というだけでなく、細胞組織の残骸を除去するなど、不要物を溜めないようにする働きがあります。
しかし、膝が故障すると、むしろこの液体が不要物となってしまうのです。
膝に溜まる水は、わたしたちの生活からイメージするお水ではなく、体液の一部なんですね。

膝に水が溜まりやすい人

膝に水が溜まるというトラブルは、いくつかの要因によって発生します。
基本的には、外力によって膝が故障した場合、無理な動作を何度もしてしまった場合、反復動作によって大きな負荷がかかった場合に起こる現象です。
膝関節に炎症が発生し、それによって滑膜が誤作動を起こします。
滑液が過剰に分泌されるのです。
これによって通常は吸収し切れる許容範囲を超え、その分が関節に溜まっていくという仕組みです。
よって、膝に水が溜まりやすい人というのは、膝を怪我しやすい、負荷をかけやすい、無理な体勢になりやすい人という事になります。
環境で言えば、スポーツ選手は間違いなく該当するでしょう。
特に、足技を多く披露するサッカー選手は、常にこの膝の水と格闘しながら競技生活を続けていく事になります。
ただ、環境だけが膝に水を溜めやすい条件ではありません。
体質的な問題もあります。
例えば、股関節や肩と比較し、滑膜面積が広い人は、水が溜まりやすいと言われています。
この他、関節自体が筋肉層に覆われていない人は、かなり水を溜めやすい体質と言えるでしょう。
こういった体質面での条件というものは、自分ではどうしようもないので、かなり辛いところです。
特にプロスポーツ選手になろうと夢を追い求めている人にとっては、この体質はかなり厄介ですね。
実際、膝に水を溜めやすい体質の人は、膝の痛みが慢性的になるだけでなく、稼動区域も限られて動きが鈍くなるので、センスがあっても長く競技を続けられない事があります。
単純な痛みもそうですが、水が溜まった事で動きが鈍くなるのが一番厄介なのです。

膝に水が溜まる原因

水が膝に溜まる原因としては、膝への外力や、無理な体勢などによる負荷が大きな原因となります。
こういった状況は、一見スポーツや事故くらいしか起こりえないように思われがちですが、実は違います。
結構、いろいろな原因で膝にダメージを受け、痛みを覚えたりするものなのです。
基本的に、膝に水が溜まる原因としては、関節外傷が多いのですが、この関節外傷は日常生活の中でも十分負う可能性のあり得るものです。
例えば、階段を下りている途中にバランスを崩して膝から落ちてしまったり、段のある場所に気づかずにガクンとなってしまったりすると、関節に打撲や捻れが加わり、それによって滑膜、関節包や靭帯が損傷し、炎症を引き起こす事になるのです。
反復動作による炎症は、スポーツのトレーニングが一番多いですが、生活習慣によっても引き起こされる事があります。
例えば、クセで毎日変な体勢で座ったり、膝を突いたままボーっとしたりする人などは危険です。
この他にも、リウマチや通風、あるいは離断性骨軟骨炎などの病気によって膝に水が溜まる事もあります。
離断性骨軟骨炎の原因はあまり定かではないのですが、骨の破片などの遊離体が関節腔に発生する病気です。
これによって滑膜が損傷してしまうと、膝に水が溜まり、痛みが生じます。
非常に厄介な病気です。
そしてなにより、肥満体型というのが一番水を溜める原因となります。
スポーツ選手ではない一般の人が膝に水を溜める場合、その多くは自分の体重で膝に過大な負担をかけるケースです。

水が溜まった際の症状

どのような病気にでも初期症状というものは存在し、それをそのまま放置すると、大抵は悪化していきます。
しかしながら、その初期症状を自覚したり、肉眼で確認したりする事は、かなり困難といえます。
大抵、自覚症状が出ている時には、初期段階から中期へと移行している状態だからです。
初期段階で何らかの病気を見つけるという事は、ほとんどの場合、別件で病院を訪れたケースです。
それ以外で見つける事は、非常に難しいといえます。
では、膝に水が溜まる場合はどうかというと、やはり初期段階ではその症状はわかりにくいようです。
まったく何も感じないわけではなく、違和感が発生しますし、若干赤く腫れ上がりますが、この違和感が出た時点で「病院へ行こう」と思い立つ人はまずいないですし、膝に水が溜まったと自覚する人もそう多くないでしょう。
既に何度かそういう経験がある人であれば、この段階で把握できるかもしれませんが、それ以外の人だと、体調が悪いとか、虫に刺されたとか、その程度の認識である場合がほとんどです。
ある程度病状が進行するまでは、痛みはほとんどありません。
違和感、あるいは張り、膨満感といった、小さな不快感が発生します。
これをしばらく放置し、原因となる行為や環境をそのまま継続していると、腫れがひどくなり、馬の蹄のような形になってきます。
その頃には、痛みがかなり出てきて、歩行にも影響を及ぼす状態となっているでしょう。
ここまで症状がはっきり出てきた場合は、病院へ行って水を抜いてもらいましょう。

水が溜まった際の対処法

赤く腫れ上がった膝に対して、考えられる対処法はいくつかあります。
もちろん、膝に水が溜まっている、すなわち関節水腫の気があるという推測が立てば、すぐに病院に行って水を抜いてもらうのがベストですが、病院へ行く時間ではない時、あるいは病院へ行く時間がない時など、必ずしもすぐに病院へ行ける環境が整っていない場合は、自己対処が必要となってきます。
そういった場合は、何よりまず冷やす事が大事です。
冷やす事で炎症を抑え、痛みを和らげたり、一時的に腫れを引かせたりする事ができます。
病院へ行くにしても、まずは冷やす事です。
冷やす事以外にも、圧迫する事が有効ですね。
ただ、圧迫といっても、ギュッと押さえ込んだり、直接布を強く巻いたりすると、痛みが増す危険があります。
その為、まずはスポンジやガーゼなどといった柔らかい素材を用意し、それをあてて、その上から弾力性のある包帯でグルグルに巻いてしまうのが一番効果的です。
ただし、締め付けの強さは血液等の循環に支障がない程度にしましょう。
一番良いのは、冷やしつつの圧迫です。
冷やしたタオルやスポンジをあて、包帯を使って固定すると、かなり楽になれます。
包帯の上から氷嚢やアイスノンを当てても良いでしょう。
重要なのは、腫れていると自覚したら、まず冷やす事です。
どのような原因でそうなっていても、冷やすという行為はまず有効だからです。
病院へ行く間にさらに腫れ上がるということも考えられるので、とにかくまずは状態をキープすることが重要です。

痛みに負けずに動かそう

人間、五体満足どこにも問題なしという状態でいられる時間というのは、そうは長くないというのが実状ですね。
生きていれば、どこかしらにトラブルを抱えるものです。
そして、そのトラブルが多い箇所というのが、膝なのです。
実際、これだけ細い部分に体重のほとんどが乗るわけですから、痛まないほうが不自然なくらいです。
特に、高齢になってくると、膝が痛みを持つ理由はかなり増えてきます。
もちろん、それらに対処する上では、その原因を追究し、対処法を検討するのが一番です。
ですが、そう簡単にそれができるとは限りません。
そこで、どんな痛みに対しても、ある程度通用する対処法を紹介していきます。
まずは、動かす事です。
膝が少々痛くても、それに耐えながら動かすという事は、かなり重要です。
怪我であれば、患部は動かさずに病院へ行くというのがセオリーですが、慢性的な痛みの場合は、むしろある程度動かした方がいいのです。
というのも、膝の痛みの原因の多くは、血行不良やリンパの循環の不全だからです。
痛いからといって動かさないと悪化してしまい、変形性膝関節症が進行したり、関節稼動域が極端に狭まったりします。
お年寄りの膝の痛みの悪化原因は、これが一番多いのです。
もちろん、激しい運動はいけませんから、ストレッチを行うのが一番でしょう。
ゆっくり、少しずつ屈伸し、時間をかけて膝関節を動かしてあげると、徐々に改善の方向に向かう可能性は十分あります。
ただし、痛みがひどい場合は、あえて行わないようにしましょう。

膝の痛みにはダイエットが有効

人間の体重を支える膝という器官には、常に大きな負荷が掛かっています。
当然、その負荷は体重に比例するわけですから、体重が重ければ重いだけ、膝への負担は増すことになります。
よって、慢性的な膝の痛みを抱えている人は、体重を減らす、すなわちダイエットをする事で、膝の痛みを軽減する事が可能となります。
これに関しては、肥満体質の人はもちろん、肥満でない人に関しても有効です。
体重が少なければその分だけ膝への負担は和らぐからです。
注意しなければならないのは、ダイエットの過程で膝に負担をかけないようにする事です。
というのも、ダイエットというのは通常、エクササイズなどの運動と食事制限を中心に行いますよね。
エクササイズは結構体を動かすので、膝の負担になりやすいのです。
特に、初期段階では体重が結構ある中で激しい動きをしなくてはならないので、そこで膝に大きな負荷がかかり、状態を悪化させる可能性があるのです。
そうなると、まさに元の木阿弥。
せっかくダイエットをする意味がありません。
食事制限にしても、それをやりすぎて栄養が足らなくなってしまっては、膝にもよくはありません。
当然ですが、膝という器官は骨や血液など、栄養素によって形成されている器官です。
それらが不足すれば、膝にも、そして身体全体にも決してよくはないのです。
お勧めのダイエットは、ストレッチです。
ヨガのような、ゆっくりと時間をかけて行うダイエットであれば、足に負担をかけずに痩せられます。
ただし、ヨガは無理な体勢をとることもあるので、足に負担が掛からないポーズを選択しましょう。

膝の痛みを靴で解消

人体というのは、色々な繋がりがあります。
そのつながりを利用して、例えばツボを押すマッサージなどが行われている事は、結構有名ですね。
掌の一箇所を押す事で、胃腸がよくなるとか、頭のある部分を押して足を治すとか、直接つながりがなさそうな所を刺激する事で治療を行うという方法は、既に確立されています。
その一方で、悪い方向に関しても、そういった繋がりがあります。
膝の痛みに関してもそうですね。
痛みがあるのは膝なのに、本当に悪いのは別のところにあるという事は、結構よくある事です。
例えば、靴が原因で膝が痛くなるケースもあります。
靴を履いているのは足であって膝ではないのですが、その靴のサイズが合っていなくて窮屈だったり、しっかりバランスの取れた物でなかったりした場合、膝を痛めてしまう要因となり得るのです。
体重が上手く逃がせず、膝に集中したり、足への圧迫が足全体の血液やリンパの流れを悪くしたりするのが、主な原因ですね。
つまり、靴の選択を間違えると、膝が痛くなる可能性は科学的に証明されているのです。
よって、まだ若く、思い当たる理由もないのに急に膝が痛くなった人は、自分の靴が足に合っているかどうかを確認しましょう。
最近は、デザイン重視の靴が多く、そういった靴の中には健康を害する形状の物も少なからず存在しています。
そういった靴を履いていると、外反母趾になり、さらには膝の慢性的な痛みの原因となるのです。
問題は、靴が原因と気がつくかどうかの一点ですね。
気がつけば、変えるのはとても簡単です。
しっかり足にフィットする靴に変えれば、それで解決ですから。

日常生活を改善しよう

膝の痛みを解消する為の方法として、一番多くの原因に対応できるのは、日常生活の改善ですね。
規則正しい生活をすることが、どんな体調不良に対しても最大の薬となります。
それは、膝の痛みであっても例外ではありません。
睡眠を十分とり、栄養をしっかり補給し、必要な水分を確保し、適度に運動し、適度に歩き回り、適度に休む。
こういう、ちゃんとした生活習慣を確保すれば、自ずと体調の悪化は防げます。
膝の痛みの場合は、日常生活の中で無理な体勢をしている事が知らず知らずのうちに原因を担っていることが結構あります。
自堕落な生活の中で、足の踏み場もない部屋で寝泊りしていると、休む時の体勢に無理が生じたりしますよね。
そういった部分をなくしていくのが、膝の痛みをなくす、あるいは予防する最初の対処法なのです。
また、かなり上の階のアパートやマンションに住んでいて、エレベーターもなく、毎日階段を上り下りしなくてはならない環境にいる人は、膝にサポーターをつける事をお勧めします。
階段の上り下りは、健康にはいいのですが、膝にはよくないのです。
サポーターを付けておくと、膝へのショックをちょっとでも和らげる事ができます。
適度に圧迫し、稼動を制限してくれますし、疲労蓄積を軽減する役割も担ってくれます。
また、健全な生活を送る事で、体重増加を防ぐことにもなります。
膝にとって体重は敵です。
少しでも減らしておく為には、規則正しい生活が一番です。