不整脈

相談機関

不整脈は、なんら自覚症状がなく、心電図検査をおこなってはじめてなんらかの異常が見つかった、というケースもあれば、逆に、動悸や胸の不快感といった、自覚症状に悩まされながらも、検査によって発見できない場合もあります。
自覚症状がありながら、検査を受けると何の異常も見つからない、という状態は、実際、非常に不安なものです(むしろ、はっきりとなんらかの病気と診断され、しかるべき治療やその後の予後について、情報を得られたほうが、ずっと精神的に楽になります)。
不整脈は、精神的な要素も大きく関与しますので、不安を抱えたまま一人悩むのではなく、どなたかに相談することはとても有益です。
医師の診断を受けてはっきりと異常がみつからなかった場合、または医師の診断を受けてはおらず自覚症状に悩んでいらっしゃる場合、以下の相談窓口に問い合わせてみられてはいかがでしょう:
●「地域医療評議会」(健康情報センター)
・問い合わせ方法・・・電話、手紙(返信用切手を同封)
・〒180 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-1 井の頭ビル7階
・電話・・・0422-43-8397(月曜日~金曜日の13時~17時)
・ファックス・・・0422-43-8302
・費用・・・相談は電話無料、面接は予約制で30分 \5000
●「ささえあい医療人権センター」COML
・問い合わせ方法・・・電話、手紙、ファックス
・〒530 
大阪府大阪市北区西天満4-1-11 昭栄ビル南館305
・電話・・・06-314-1652
・ファックス・・・06-314-3696
・費用・・・相談無料
*ニューズレター「COML」を月1回発行。年間購読料 \4000

学校の検診で子どもに

学校の検診で子どもに不整脈が見つかることが多くあります。もちろん、なかには病的な不整脈もあり、早期検査と治療が必要なものもありますが、おおむね、問題がない場合が多いです。
ただし、なかには心疾患を疑われる病的な不整脈が存在することも確かですから、一度、きちんと検査を受けておくことがご両親にとっても、またお子さん自身にとっても安心でしょう。
心配する必要のない不整脈には、以下のものがあります:
●洞性不整脈(どうせいふせいみゃく)(=「呼吸性不整脈」)・・・息を吸うときに心拍数が増え、息を吐き出すときに心拍数が減るというものです。子どもによく見られます。心配ない不整脈のひとつですが、あまり程度が激しい場合には、なんらかの心疾患の可能性があるため、運動を制限されることがあります。
●洞性徐脈(どうせいじょみゃく)・・・1分間に50から60回しか心拍数がないものです。
●期外収縮(きがいしゅうしゅく)・・・非常によくみられる不整脈です。運動することで自然に消えてしまう良性のものです。ただし、なかには運動するとかえって増加してしまうものもあり、そのような場合には病的な不整脈として早期検査が必要です。
一方、精密検査と、場合によっては治療が必要となる不整脈には、以下のものがあります。心疾患に限りません:
●多源性心室性期外収縮(たげんせいしんしつせいきがいしゅうしゅく)・・・心筋の異常が疑われます。
●先天性心疾患(せんてんせいしんしっかん)
●甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
●高血圧

子どもの胸痛と不整脈

特に小さなお子さんの場合は、体調が悪くてもそれを自分の言葉でうまく表現できないことが多いので周囲の大人が注意し、何か変わった様子がないか、気にかけてあげることが大切です。
たとえば、お子さんが「胸が痛い」と訴えた場合、それが単なる筋肉痛なのか、それとも重篤な心臓病などの疾患の兆候なのか、なかなか判断がつきません。
胸のどのあたりが痛むのか、どれほど痛みが続いているのか、何か痛みを引き起こす原因など思い当たることはないか、呼吸との関連はどうか、が、観察のポイントとなります。
胸痛の原因となる病気には次のものがあります。呼吸器、心臓、消化器、胸壁の疾患、あるいは心因性のものもあります。
●精神的な胸痛・・・過換気症候群
●心臓の病気・・・不整脈、大動脈瘤、心外膜炎、肺高血圧、虚血性心疾患(川崎病)、など。
●胸壁の病気・・・筋肉痛、帯状疱疹、乳腺の疾患、椎間板症、など。
●呼吸器系の病気・・・胸膜炎、肺炎、自然気胸、など。
学校の検診で、不整脈が発見されると、ご両親は非常に心配になってしまいますよね。何か重篤な心疾患があるのではないか・・・と考えがちです。しかし、不整脈の必ずしもすべてが病的なものとは限りません。なかにはまったく心疾患を伴わない良性の不整脈もあります。
たとえば、洞性不整脈(どうせいふせいみゃく)、洞性徐脈(どうせいじょみゃく)、期外収縮(きがいしゅうしゅく)など、頻繁に発見されますが、心配のいらない不整脈です。

循環器系の薬

心臓と血管といった、循環器系の血液の流れに障害が生じた場合に用いられる薬には、次のものがあります。
●心臓病に対する薬
・強心薬(きょうしんやく)・・・心臓のポンプ能力を高める作用をする薬です。弱った心臓の筋肉「心筋(しんきん)」に直接働きかけて収縮力を高め、血液を活発に送り出します。強心薬の代表的なものは、ジギタリス(強心配糖体(きょうしんはいとうたい))です。
*主な薬・・・強心配糖体、キサンチン誘導体、カンフル類、交感神経興奮薬(アドレナリン作動薬)、など。
・不整脈用薬(ふせいみゃくようやく)・・・心臓は通常、1分間に70回前後、」規則的に拍動しています。ところが、不整脈になると、心臓の拍動の規則性や頻度に異常がきたします。原因は心臓の働きそのものにある場合と、興奮伝達系に異常がある場合があります。
*主な薬・・・局所麻酔薬のプロカイン誘導体・プロカインアミド、ベータ遮断薬、局所麻酔薬のリドカインや抗痙攣薬(こうけいれんやく)のフェニトインなど。
そのほか、心臓病には、狭心症治療薬(きょうしんしょうちりょうやく)や利尿薬(りにょうやく)も用いられます。
●血管系の疾患に対する薬・・・血圧降下薬(けつあつこうかやく)、血管拡張薬(けっかんかくちょうやく)、動脈硬化用薬(どうみゃくこうかようやく)、など。
●脳血管の疾患に対する薬・・・脳・末梢血管拡張薬(のう・まっしょうけっかんかくちょうやく)、脳循環代謝改善薬(のうじゅんかんたいしゃかいぜんやく)。

アダムス・ストロークス症候群への対応、診断、治療

てんかんとよく似た症状を示し、突然、意識を失い、痙攣を起こす病気に、「アダムス・ストロークス症候群」があります。不整脈のタイプのひとつである、房室ブロックなどでは、アダムス・ストロークス症候群を起こすことがあります。アダムス・ストロークス症候群は、心臓の異常が原因で心臓の動きがとまってしまったときに、心臓から脳へ血液が送られなくなり、意識を失ってしまう病気です。
アダムス・ストロークス発作の際の対応
数秒から数分で意識を回復することもありますが、なかには心臓の動きがなかなか回復せず、意識が戻らないまま死亡するケースもあるので注意が必要です。発作を起こし、意識を失った場合には、すぐに救急車を呼びます。
心臓が止まってしまっている場合には、急いで心臓マッサージをします。呼吸が止まっている場合には、人工呼吸も同時におこなう必要があります。
アダムス・ストロークス症候群の診断と治療
アダムス・ストロークス症候群の診断は、心電図検査によっておこないます。ただし一般の心電図検査では、記録できるのはせいぜい数十秒以下であることから、その間に異常が見つかるとは限りません。そのため、24時間の心電図記録が可能である「ホルター心電計」を携帯して発作が起こったときの心電図を記録したり、運動をして関係のある不整脈を故意的に起こして、調べます。
アダムス・ストロークス症候群の原因が、心室の停止である場合は、心室の収縮を人工的に起こさせる「ペースメーカー」という機器を胸に植え込みます。
心室細動などの不整脈が起こっている場合には、電気ショックをかけて正常なリズムを取り戻します。そのあと、予防的治療として、「抗不整脈薬」を用います。

アダムス・ストロークス症候群

徐脈型不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)のひとつ、房室ブロックなどで起こり、場合によっては死に至るケースもあるのが、アダムス・ストロークス症候群です。
アダムス・ストロークス症候群は、心臓の異常が原因で心臓の動きがとまってしまったときに、心臓から脳へ血液が送られなくなり、意識を失ってしまう病気です。通常、数秒から数分で意識を回復しますが、なかには心臓の動きがなかなか再開しない場合もあります。そして意識が戻らないまま死亡するケースもあります。
したがって、心臓の動きが再開し、意識が回復した場合は、「アダムス・ストロークス発作」と呼ばれますが、死にいたった場合には、突然死や心臓麻痺(しんぞうまひ)と呼ばれることになります。
アダムス・ストロークス症候群の症状
アダムス・ストロークス症候群では、心臓から脳へ血液が送られなくなります。脳の血液不足が短時間ですんだ場合には、突然、目の前が真っ暗になったり、意識が遠のくように感じ、手足の力が入らないような感じがする程度です。
しかし、数秒以上、脳へ血液が送られない状態が続くと、失神します。意識を失い、眼球がつりあがり、痙攣(けいれん)を起こす場合もあります。
「てんかん」との違い
突然、意識を失い、痙攣を起こす病気として、アダムス・ストロークス症候群のほかに「てんかん」があります。ただし、アダムス・ストロークス症候群と異なり、てんかんの場合には、意識が戻ったあと、ぐっすりと眠ったような状態になります。一方、アダムス・ストロークス症候群の場合は、意識が戻ると急速にはっきりとしてきます。

脚ブロック

心臓は、心臓自身が「刺激」を発生し、それが心臓全体に伝えられることによって収縮と拡張を繰り返します。この刺激が発生するのは、洞結節という、心房の筋肉の一部です。
脚ブロックとは、不整脈のタイプのひとつで、洞結節で発生した刺激が、房室結節から左右の心室に分かれたあとの伝道経路になんらかの支障が生じたときにおこります。
右脚の伝道障害を「右脚ブロック」といい、左脚の伝道障害を「左脚ブロック」といいます。ただし、脚ブロック自体ではなんらの症状も出ません。心電図を調べてみてはじめて発見されます。
脚ブロックの治療
1.基礎となる心臓病がない場合・・・リズムが安定していて、基礎となる心臓疾患がない場合には、治療の必要はほとんどありません。ただし、定期的に検査を受け、症状に変化がないかどうか、確認したほうがよいでしょう。
2.基礎となる心臓病がある場合・・・基礎となる心臓病の治療が中心となります。ただし、治療による副作用に注意します。
3.リズムが不安定で徐脈や心停止が生じる場合・・・人工ペースメーカーを胸に植え込み、規則的な電気刺激を人工的に心臓に送り、心臓の動きを整える治療法がとられます。
*人工ペースメーカー・・・心臓が一定の時間以上、停止したままになったときに、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこす、というものです。現在、日本で新たにペースメーカーを植え込む人は、年間で約1万人にのぼるといわれ、年々広まってきています。

房室ブロック

房室ブロックは、洞不全症候群、脚ブロックと並び、刺激が心臓のなかでうまく伝わらなくなってしまった状態をいいます。ヒトの正常な脈拍よりも、脈が少なくなるタイプ「徐脈型不整脈」の一種です。
房室ブロック
房室ブロックでは、心房から心室への伝道経路が障害されています。房室ブロックがみられるのは、リウマチやウィルスなどによる心筋炎、心筋梗塞、および特発性心筋症などです。
*ただし、ほかになんらの心臓病もみつからない、特発性のものも多いです。
房室ブロックはその程度によって、3段階に分かれます:
1度・・・ほとんど症状がみられない房室ブロックをいいます。心電図をとってはじめて発見される程度です。
2度・・・脈がときどき抜け、動悸を感じるようになります。場合によっては、数秒以上、心臓がとまってしまい、アダムス・ストロークス症候群を起こすこともあります。
*「アダムス・ストロークス症候群」というのは、心臓の異常が原因で心臓の動きがとまってしまったときに、心臓から脳へ血液が送られなくなり、意識を失ってしまう病気です。たいていは、数秒から数分で意識を回復します。ただしなかには心臓の動きがなかなか回復しない場合もあり、意識が戻らないまま死亡するケースもあります。
3度・・・心拍数が40台から、ひどい場合には、30台にまで減ります。徐脈や心停止を起こしやすくなり、アダムス・ストロークス症候群の発作を起こす人も半数程度にのぼります。

徐脈性不整脈

「ヒト」の脈拍は、安静時で通常1分間に、50~100拍程度です。
不整脈という場合、この正常な脈拍を下まわる場合の「徐脈性不整脈」と、多い場合の「頻脈性不整脈」、」および、心拍異常を伴わない不整脈の3つに分類されます。
徐脈性不整脈はさらに次のようないくつかのタイプにわかれます:
1.洞房ブロック
2.房室ブロック・・・心房から心室への「刺激」の伝道が不完全であるか、あるいはまったく伝わっていない状態です。 房室ブロックは、その程度によって1度から3度にわかれます。
●I度房室ブロック ・・・P波が存在し、P波とQRSの間隔は一定です。しかし、PR間隔が0.21秒以上の場合をいいます。
●II度房室ブロック ・・・P波の後にQRSが抜け落ちている状態の不整脈をいいます。ウェッケンバッハ型房室ブロックとモービッツII型房室ブロック。
●III度房室ブロック ・・・P波が存在するが、P波とQRS波の間の時間的関連性がない状態です。
●房室解離
3.接合部性調律
4.洞不全症候群・・・洞結節によるリズムが徐脈になったり、一瞬と待ったりするものをいいます。
5.呼吸性不整脈・・・ 吸気時には脈拍が上昇する一方で、呼気時には低下する状態といいます。若年者に多く見られます。脈拍は不整ですが、病気ではありません。
5.脚ブロック(きゃくぶろっく)・・・左右の心室壁のいずれかにおいて、神経伝達が断絶してしまっている状態です。途切れているほうの心室壁は、心筋伝導によって、もう一方より遅れて収縮することになるため、QRSの波形は、ウサギの耳状の「二峰性」になります。

心房細動の症状

心房細動とは、脈が乱れ、胸部に不快感があり、心房が小刻みに震えているような症状を起こすタイプの不整脈です。健康な人でも、生活のなかでのさまざまな誘因(喫煙、アルコール、コーヒーなどの飲みすぎ、心身の疲労、寝不足、など)で発作的に起こることがあります。
心房細動の症状には次のものがあります:
・心臓(心室)のリズムが不規則になります。
・脈の強さが、強くなったり弱くなったりして乱れます。
・脈が触れにくくなります。
・一般的に心拍数が増え、多いときには、1分間に200くらいにもなります。ただし、手首の脈はかえって減ったように思われます。
・心拍数が増えたことで、動悸を感じ、胸が苦しくなり、息苦しさ、胸痛などの症状を起こします。
・心房細動が頻脈のまま長く続く場合、心不全を起こす危険があります。この場合、呼吸困難やむくみが現れます。
*ただし、高齢者の場合、心拍数があまり増えないこともあり、自覚症状もなく、したがって苦痛を感じないこともあります。
心房細動の治療
原因となる病気がない場合(特発性の場合)は、心房細動をとめる治療をし、誘因となる生活上の注意点を守るようにすれば普通の生活を送ることは可能です。ただし、心房細動があると、心房のなかに血栓(血液のかたまり)ができやすくなります。血栓が血液といっしょに流れていって、脳の血管を詰まらせると、脳塞栓(のうそくせん)が起こる危険性があるので注意が必要です。

心房細動

不整脈とは、心臓の収縮のリズムが乱れた状態を言い、1.脈が増えるタイプの不整脈・・・頻脈型不整脈(ひんみゃくがたふせいみゃく)、2.脈が少なくなるタイプの不整脈・・・徐脈型不整脈(じょみゃくがたふせいみゃく)に分かれます。
頻脈型不整脈の一種に「心房細動(しんぼうさいどう)」という種類の不整脈があります。脈が乱れ、胸部に不快感があり、心房が小刻みに震えているような症状を起こすものです。
心房細動のなかにもいろいろなタイプがあります。
1.一過性で、自然に治ってしまうもの(「発作性心房細動」)。
2.慢性的に一生続くもの。
3.発作的に繰り返していて、あるときから慢性的に固定してしまうもの。
*高齢者の場合、3のタイプが多くみられ、健康そうにみえる人でもかなりの高頻度・・・20~30人にひとり・・・でみられます。ただし、若い人でも、「僧坊弁膜症(そうぼうべんまくしょう)」がある人の場合、年数がたって病気が進行するにつれて心房細動が出てきます。
●僧坊弁弁膜症と心房細動
僧坊弁膜症の人は、心筋の変化に伴って、その半数以上に、いずれは心房細動がみられるようになります。
●先天性心疾患、特発性心筋症と心房細動
筋に変化が生じやすい病気の場合も、僧坊弁膜症と同様、心房細動を起こしやすくなります。
●心筋梗塞と心房細動
心筋梗塞の急性期に、一過性の心房細動が生じる場合があります。
そのほか、甲状腺機能亢進症でも心房細動がみられることがあります。
このように心房細動はいろいろな疾患に伴って表れることがありますが、その大部分は発作性で、ホルモン治療で心房細動も改善します。

発作性心室性頻拍の発作

発作性頻拍は、発作性上室性頻拍(ほっさせいじょうしつせいひんぱく)と、発作性心室性頻拍(ほっさせいしんしつせいひんぱく)の2種類のタイプにわかれます。
発作性上室性頻拍は、心臓にはっきりとした疾患がなく、発作がおさまればそれ以上の治療は必要ないことが多いのですが(*)、発作性心室性頻拍は、逆に心臓病をもつ人に多くみられ、心筋梗塞の初期、特発性心筋症、および心筋に変化が生じる病気で起こることがあり、より重篤で生命の危険にかかわる不整脈に発展する可能性があります。
*ただし、洞不全症候群の人に心室性頻拍の発作が起こると、発作がおさまったときに心臓が数秒以上とまってしまい、アダムス・ストークス発作を起こす危険があります。
また、発作性上室性頻拍では、深呼吸などの対処で発作がおさまる場合があるのに対し、発作性心室性頻拍の場合は、このような対処では効果がありません。したがって、電気ショックをおこなったり、抗不整脈薬を使って、積極的な治療がおこなわれます。
また、最近では、「カテーテル治療」が試みられるようになりつつあります。末梢の静脈からカテーテル(細い管)を挿入し、心臓の内側から治療しようという方法で、カテーテルの先端を少しずつずらしていきながら、電気生理学的検査で病巣を突き止めて不整脈を発生している原因箇所を高周波通電で焼灼してしまおう、というものです。これは「カテーテル・アブレーション」と呼ばれる治療法です。
発作性頻拍の場合は、不整脈の引き金となる生活上の誘因(心身の疲労、睡眠不足)を避けることも、重要な対策となります。

発作性頻拍の症状と発作

安静時に脈拍が1分間に150回から200回にも増えた場合、発作性頻拍か心房細動のどちらかの可能性が疑われます。
発作性頻拍の症状は、以下のものです:
●脈の増加
●激しい動悸
●息苦しさ
●胸苦しさ
●胸痛
●冷や汗
●吐き気
●血圧低下によるめまい、意識の喪失
*さらに、以上の症状を経験した結果として、不安神経症になる人もいます。
発作の起こり方
発作の持続時間は、人によってさまざまです。1分以内でおさまる人もいれば、数日続くこともまれにあります。また、頻繁に起こる人もいますが、長年続くということは、まれです。発作が終われば、すっと症状が消えてしまいます。
発作が起こったときの対処の仕方
発作性上室性頻拍と発作性心室性頻拍で、その対処の仕方が異なります。
発作性上室性頻拍の場合
1.上室性頻拍の発作が起こったときには、息を大きく吸います。そのままできるだけ長く、息を止めていきみます。かがんでみます。これだけで収まる場合もあります。
2.1をおこなってみて効果がなかった場合には、のどに指をつっこんで舌の付け根を圧して吐くようにします。あるいは冷たい水を一気に飲みます。
3.眼圧加圧、頚動脈洞加圧。これらの方法は、危険が伴うことがあるので、医師が行います。
*以上の1~3の方法は、あくまで発作性上室性頻拍のためのもので、発作性心室性頻拍には効果がありません。
4.これらの方法を試してみても発作がおさまらない場合には、抗不整脈薬やジギタリス製剤による薬物療法や、電気ショックによる通電療法がおこなわれる場合もあります。

発作性頻拍

不整脈には、大きくわけて、脈が増えるタイプの不整脈(頻脈型不整脈)と脈が少なくなるタイプの不整脈(徐脈型不整脈)があります。
さらに、頻脈型不整脈のなかに、「発作性頻拍(ほっさせいひんぱく)」という種類も不整脈があります。
正常な場合、脈は1分間に50~70回前後です。ところが、発作性頻拍は、安静時に突然、脈が1分間に150~200回以上にも増えます。よく似た症状を示すものとして、「心房細動(ほっさせいしんぼうさいどう)」があります。脈拍が1分間に150回を超えるような場合、発作性頻拍か心房細動のどちらかの可能性が疑われます。
発作性頻拍の種類
心臓は収縮と拡張をおこなうために、心臓自身に向かって「刺激」を発しています。発作性頻拍は、刺激が発生する位置の違いから、次の2つにわかれます:
●心房や、心房と心室の境界あたりから刺激が発生した場合・・・「発作性上室性頻拍(ほっさせいじょうしつせいひんぱく)」。
*WPW症候群の60パーセント以上に、室性頻拍が合併します。発作性頻拍の大部分は、上室性頻拍です。
●心室から刺激が発生した場合・・・「発作性心室性頻拍(ほっさせいしんしつせいひんぱく)」。
*心臓病をもつ人に多くみられます。心筋梗塞の初期、特発性心筋症、および心筋に変化が生じる病気で起こることもあり、注意が必要です。また、心不全の治療薬(ジギタリス製剤)の長期服用者に起こりやすくなるともいわれています。

注意が必要な期外収縮

期外収縮は、不整脈のなかでももっともよく見られるもので、24時間の携帯用心電計(ホルター心電図)を用いると、ほとんどすべての人に認められます。
期外収縮の自覚症状
期外収縮の自覚症状は、主に動悸(どうき)ですが、これもあったりなかったり人によってさまざまです。安静時でも、期外収縮が起こると、胸部にもやもやとしていやな感じを覚えたり、ドキンドキンとするなど、微妙な不快感があります。
期外収縮の危険性
心臓疾患を持っていない場合でも、疲労や飲酒などで一時的に期外収縮が起こります。このような場合は、本人が気にならないようなら放置しておいても大丈夫でしょう。
一方、もともと心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)、心筋梗塞、心不全などの心臓病がある人に期外収縮が起こった場合、心筋になんらかの変化が起こったなど、症状が進行したことを示します。したがって専門医に相談し、しかるべき治療を受ける必要があるでしょう。
期外収縮の治療
心電図で、心室性期外収縮の波形がそろっていない、あるいは間隔が極端に短い、何度も期外収縮が連続して起こる、といった場合、「心室細動(しんしつさいどう)」という不整脈の一種の前兆の可能性があります。この危険が考えられる場合には、冠動脈疾患集中治療室(かんどうみゃくしっかんしゅうちゅうちりょうしつ)(CCU)への入院が必要です。厳重な監視のもとで、抗不整脈薬(こうふせいみゃくやく)による治療を開始します。

期外収縮の原因

不整脈のひとつのタイプに「期外収縮(きがいしゅうしゅく)」があります。」
期外収縮は、心臓が収縮と拡張をおこなうために、心臓自身に向かって出す「刺激」が、本来刺激が起こるはずの位置(心房の筋肉の一部である洞結節)とはちがった位置から発せられるために起こるものです。
刺激の発生位置によって、次の種類に分かれます:
●「上室性期外収縮(じょうしつせいきがいしゅうしゅく)・・・刺激が心房あるいは房室結節付近で発生した場合で、命の危険はありません。
●「心室性期外収縮」(しんしつせいきがいしゅうしゅく)・・・刺激が心室で発生した場合。心臓麻痺の前兆になるような重篤なものから、病的なものではまったくないものまでさまざまです。
期外収縮は、先天性の心疾患や弁膜症が進行し、心臓肥大が目だってきた場合に、心臓の筋肉(心筋(しんきん))が変化したことが原因で起こることもありますし、心不全の場合に心筋が変化して期外収縮が生じることもあります。
また、心臓になんらかの異常や病気がない場合でも、疲労や、睡眠不足、喫煙、飲酒、刺激物(カフェイン・・・コーヒーやお茶)のとりすぎ、などが原因となって一時的に期外収縮が起こる場合が、あります。とはいえ、心臓に病気がある人を除けば、これらの一時的な期外収縮は、ほとんど心配ありません。放置しておいても大丈夫ですが、症状が気になる場合には、症状の誘因となる疲労や睡眠不足、飲酒、刺激物の摂取を控えるようにしてみてはどうでしょう。

期外収縮

不整脈とは、心臓の収縮のリズムが乱れた状態を言い、1.脈が増えるタイプの不整脈・・・頻脈型不整脈(ひんみゃくがたふせいみゃく)、2.脈が少なくなるタイプの不整脈・・・徐脈型不整脈(じょみゃくがたふせいみゃく)に分かれます。
1.頻脈型不整脈には、期外収縮(きがいしゅうしゅく)、発作性頻拍(ほっさせいひんぱく)、心房細動(しんぼうさいどう)、心房粗動(しんぼうそどう)、心室細動(いんしつさいどう)、心室粗動(しんしつそどう)、洞性頻脈(どうせいひんみゃく)などの種類があります。
2.徐脈型不整脈には、房室ブロック(ぼうしつぶろっく)、洞不全症候群(どうふぜんしょうこうぐん)、脚ブロック(きゃくぶろっく)といった種類があります。
期外収縮(きがいしゅうしゅく)
脈が飛ぶような感じがし、一回単位でときどき心臓の収縮が速くなるタイプの不整脈です。不整脈のなかでももっとも多いタイプで、ホルター心電計(携帯用の心電計で、24時間の心電図を連続して記録するためのもの。一般の心電図では長くても10秒以下の記録のため、捕らえきれない不整脈が多いことから、用いられます)を使って24時間の心電図をとると、ほとんどすべてといっていいほど、多くの人に見つかります。
期外収縮は、「早期収縮」とも呼ばれ、刺激が本来とは違った位置で発生することから起こるものです。ちょうど、歩いていてたまたまそのとき、つまずいた、といった感じです。

不整脈の型と種類

不整脈は、心臓の収縮のリズムが乱れた状態を言います。その症状から、主に次の2つのタイプにわかれます:
1.脈が増えるタイプの不整脈・・・頻脈型不整脈(ひんみゃくがたふせいみゃく)
2.脈が少なくなるタイプの不整脈・・・徐脈型不整脈(じょみゃくがたふせいみゃく)
それぞれ、さらにいくつかの種類にわかれます。
頻脈型不整脈の種類
●期外収縮(きがいしゅうしゅく)・・・脈が飛ぶような感じがし、一回単位でときどき心臓の収縮が速くなるタイプの不整脈です。
●発作性頻拍(ほっさせいひんぱく)・・・安静時に突然、脈が1分間に150~200回以上にも増えるタイプの不整脈です。参考:正常では50~70回前後。発作性心房細動(ほっさせいしんぼうさいどう)もよく似た症状を起こします。
●心房細動(しんぼうさいどう)・・・脈が乱れ、胸部に不快感があります。心房が小刻みに
震えているような症状を起こします。
●心房粗動(しんぼうそどう)
●心室細動(いんしつさいどう)
●心室粗動(しんしつそどう)
●洞性頻脈(どうせいひんみゃく)
徐脈型不整脈の種類
●房室ブロック(ぼうしつぶろっく)、洞不全症候群(どうふぜんしょうこうぐん)、脚ブロック(きゃくぶろっく)
・・・脈が遅くなります。房室ブロックと洞不全症候群、脚ブロックは、刺激が心臓のなかでうまく伝わらないために起こるものです。
●洞性徐脈(どうせいじょみゃく)
●洞房ブロック(どうぼうぶろっく)
●高度の徐脈・・脈が遅くなる症状があります。

カテーテル治療

不整脈の場合、薬物療法がおこなわれ、その効果がみられない場合に、心臓ペースメーカーや植え込み型序徐細動器の使用、および外科手術が試みられます。
不整脈に対する外科手術というのは、不整脈が発生する原因となっている、異常な箇所を切断したり、除去する目的でおこなわれるものです。
また、最近では、外科手術に代わって不整脈に対し「カテーテル治療」が試みられるようになりつつあります。末梢の静脈からカテーテル(細い管)を挿入し、心臓の内側から治療しようという方法です。
カテーテルの先端を少しずつずらしていきながら、電気生理学的検査で病巣を突き止めます。そして不整脈を発生している原因箇所を高周波通電で焼灼してしまおう、というものです。開発がおこなわれ、臨床にもちいられるようになりつつある、新しい治療法で、「カテーテル・アブレーション」と呼ばれます。
主として、頻脈性不整脈に用いられ、薬物療法が効果を発揮しない、WPW症候群などに適応されます。
*参照・・・「カテーテル」とは「細い管」を意味します。最近、よく耳にする言葉としては、「心臓カテーテル」と呼ばれる検査があります。
「心臓カテーテル」
足の付け根の静脈または動脈などから、カテーテルを心臓内まで通し、心臓内の圧力や血液の酸素含有量を調べる検査です。手術前の確定判断によく用いられます。大人では、局部麻酔でおこなわれますが、多少、危険が伴うことから入院が必要となります。

精神的原因

不整脈や動悸には、心不全や急性心筋炎、低血糖症、あるいは甲状腺機能亢進症といった、器質的な疾患が原因で起きるもののほかに、精神的な原因によって生じるものがあります。たとえば、「神経循環無力症」や「心臓神経症」「過喚起症候群」「不安神経症」などです。
●神経循環無力症・・・胸痛、頭痛、不安感、疲労感を伴います。
●心臓神経症・・・心臓が動くたびに痛みを感じる、心臓が痛む、といった症状があります。
*これらは、不安を感じたり、恐怖にさらされる状況に置かれた場合に、症状が現れます。
不整脈や動悸が精神的な原因によるものかどうかの判断は、まず、次の一次検査をおこない、さらに必要に応じて、二次検査もおこなったうえで、器質的な疾患の可能性を除外していきます。そしてほかに異常がみあたらないことを確認したうえで心理テストや精神医学的な判断によって判定されます。
*一次検査・・・胸部X線、打・聴診、赤沈・白血球検査、CRP、心電図、血圧測定、血液・尿の一般検査、血糖値測定、頸部X線、など。
*二次検査・・・心電図、ホルター心電図、心エコー検査、CT、超音波検査、甲状腺シンチグラフィ、甲状腺ホルモン測定、など。
緊急な治療が必要かどうかを判断するために、まず心電図検査をおこない、さほど緊急でないと判断された場合には、問診も含めて、次の点からじっくりとその原因を探っていきます。
●自覚症状・・・動悸の感じ方や、随伴する症状
●不整脈の誘引となる生活状況・・・運動、ストレス、飲酒、喫煙、睡眠不足、疲労、など。
●基礎疾患
●既往歴
●常用薬

不整脈がおきたら?

不整脈(脈拍の異常)や動悸を感じたら、まずその症状が発生した状況を観察してください。そして、不整脈や動悸のほかにどのようは症状が伴っていたか、に着目します。
●その症状は、1.動いたとき(労作時)に起きました? 2.突然、起きましたか? 3.長時間続きましたか?
●不整脈や動悸のほかにどのような症状がありましたか? たとえば、呼吸困難、疲労感、発熱、胸痛または胸の不快感、発汗、空腹感、脱力感、意識障害、そのほか甲状腺の腫れや最近、やせてきた、ということはありますか?
1.労作時に動悸や不整脈が起き、それに伴って呼吸困難や疲労感が見られる場合、「心不全」が疑われます。
2.突然、急速に動悸や不整脈が生じ、それにともって、発熱と胸痛が見られる場合に疑われるのは、「急性心筋炎」です。また、同様に急速な動悸や不整脈でも、発汗、空腹感、脱力感、意識障害を伴う場合には、「低血糖症」の可能性があります。
3.不整脈や動悸が長時間続き、甲状腺の腫れややせの症状がある場合には、「甲状腺機能亢進症」という病気が疑われます。
以上の場合、いずれも一次検査として、次の検査をおこないます:
●胸部X線
●打・聴診
●赤沈・白血球検査
●CRP
●心電図
●血圧測定
●血液・尿の一般検査
●血糖値測定
●頸部X線
さらに、二次検査としては、不整脈や動悸が生じたときの状況が、1と2の場合(1.労作事に生じた 2.急速に生じた)で、心不全や急性心筋炎が疑われる場合は、「心電図」「ホルター心電図」「心エコー検査」がおこなわれます。一方、3の場合(長時間持続)は、「CT」「超音波検査」「甲状腺シンチグラフィ」「甲状腺ホルモン測定」が二次検査としておこなわれます。

心臓ペースメーカー友の会

薬物療法以外の、不整脈の治療法の一つに「心臓ペースメーカー」があります。現在、日本で新たに心臓ペースメーカーを植え込む人は、年間で約1万人にのぼるといわれます。
日本では、現在、「日本心臓ペースメーカー友の会」が発足し、ペースメーカーを体内に埋め込んだ人たちのさまざまな相談に応じています。
不整脈に限らず、ペースメーカーの悩み一般に対応してくれます。相談は無料ですので、ご相談なさってみてはどうでしょう。
同じ悩みをもつ仲間、先輩たちとのかかわりは何よりもの心の支えになることがあります。ペースメーカーを植え込んだご本人、ご家族の方々は連絡してみてはいかがでしょう。
「日本心臓ペースメーカー友の会」
●電話 「日本心臓ペースメーカー友の会」
・問い合わせ方法・・・電話、手紙(返信用切手を同封)、ファックス
・〒180 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-4-1 井の頭ビル7階
・電話・・・03―3420―1200(月、水、金曜日の10時~17時に相談を受け付けています)
・ファックス・・・03-34210-1200
・費用・・・相談は電話無料
*会費は、入会金なし。年会費 \5000
・会員数・・・全国15支部、約2000名
*活動内容
・会報『かていてる』を年6回発行しています。
・年1回開催される総会では、約10名の専門医を招き、質疑応答の時間を設けています。
・支部単位の活動も盛んで、地元の専門医を招いた勉強会や最新情報の提供、旅行会、会員同士の交流もおこなっています。

ペースメーカー使用の注意

不整脈の治療には、薬物療法が用いられますが、薬物療法が無効の場合に、ペースメーカーや植え込み型序徐細動器などが用いられます。
ペースメーカーとは、心臓が一定の時間以上、停止したままになったときに、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこす、というものです。現在、日本で新たにペースメーカーを植え込む人は、年間で約1万人にのぼるといわれます。
非常に精密な器機であるため、近年では、非常に発達し、故障が少なくなったとはいえ、その取り扱いには注意が必要です。決して100パーセント、人間の心臓そのものというわけにはいきません。ペースメーカーを埋め込む患者さんご本人だけでなく、周囲の人たちがさまざまな配慮をすることが重要です。
ペースメーカーをつけている人は、磁気共鳴画像装置(MRI)による検査や電気メスによる手術を受けることはできません。磁場が発生する環境には充分に注意が必要です。
また、携帯電話の使用は、ペースメーカーに影響をおよぼす恐れがあることから、列車や公共の場所では、携帯電話の使用を自粛するよう盛んに呼びかけられています。また、携帯電話だけでなく、低周波治療器や電子レンジなども、ペースメーカーに影響を及ぼします。
日本では、現在、「日本心臓ペースメーカー友の会」が発足し、ペースメーカーを体内に埋め込んだ人たちのさまざまな相談に応じています。
不整脈に限らず、ペースメーカーの悩み一般に対応してくれます。相談は無料ですので、ご相談なさってみてはどうでしょう。

ペースメーカー

不整脈とは、心臓の収縮のリズムが乱れた状態をいいます。ひとくちに不整脈といっても、たくさんの種類があり、なかには心配のないものもありますが、重症の心臓病の徴候の場合もありますので、医師の診断を受けることが大切です。
不整脈の治療には、薬物療法のほかに次の治療法があります。これらは主に、薬物療法が効力を発揮しない場合に用いられることが多いです。
1.ペースメーカー
2.植え込み型除細動器
3.外科治療
1.ペースメーカー
ペースメーカーというのは、徐脈性不整脈を治療する目的で体内に植え込む、電気刺激装置で、心臓が一定の時間以上とまったままになったときに、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこすものです。
ペースメーカーは、大きさは5×4×1センチメートル以下で、重さも30グラム以下のものなど、非常精密な器機です。
ペースメーカーが適応されるのは、次のような場合です。
1.アダムス・ストークス症候群
心臓病のひとつで、アダムス・ストークス症候群と呼ばれるものがあります。心室停止などで心臓のポンプ機能が止まり、脳にも血液が行かなくなってしまうため、失神してしまうような症例です。多くの場合は数秒から数分で意識を回復しますが、そのまま長く続くと、心臓麻痺で死亡する、いわゆる突然死の恐れがあります。
2.高度の徐脈
高度の徐脈が原因で運動、動作にともなった心臓の拍出量の増加ができなくなってしまい、すぐに息切れや呼吸困難、足が重くなるといった症状がおき、日常の身体活動に著しい支障がおよぶ症例、など。

心電図

不整脈(ふせいみゃく)の検査には、一般的に心電図検査(しんでんずけんさ)が用いられます。ただし、心電図検査をおこなっても、不整脈は常時、発生しているとは限りませんので、記録をとっているときに発生せず、発見できない場合や、逆に心電図検査では、不整脈の発生が記録されたものの、動悸や息切れなど、自覚症状がない場合もあります。
心電図というのは、心臓の筋肉(「心筋(しんきん)」)が収縮するたびに発生する微弱な電流の変化を波形図として記録するものです。その波形から、心臓のはたらきや異常の有無を読み取ります。心電図は、不整脈の診断と発見のほかにもさまざまな用途に用いられます。
たとえば、近年、患者数が増加し、日本人の死亡原因の上位に位置する虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)などの発見や診断、および心肥大や心臓の診断と判定、心臓病の進行や回復状態の診断、など、です。また、治療薬の効果や副作用の診断や判定にも、広く応用されます。
ただし、一般に心電図で記録される時間は、長くても数十秒であることから、そのわずかの間に異常を発見することは難しい場合が多いという問題があります。そのため24時間、機器を携帯して心臓の動きを記録し、より詳しいデータを得るために用いられるのが、「ホルター心電図」です。通常の心電図検査では、発見できない不整脈や、心臓疾患などを発見できることがあり、診断に広く用いられるようになっています。

不整脈の薬物療法以外の治療法

心臓の収縮のリズムが乱れた状態を不整脈といいます。
不整脈には、その症状から、1.脈が増えるタイプの不整脈(頻脈型不整脈)と、2.脈が少なくなるタイプの不整脈(徐脈型不整脈)に大きくわかれます。それぞれのタイプはさらにいろいろな種類にわかれます。
不整脈のなかには心配のいらないものもありますが、重い心臓病の兆候として不整脈が現れる場合もありますので、専門の医師の治療を受け、適切な治療を受けることが大切です。
不整脈の治療には、薬物療法のほかに、1.ペースメーカー、2.植え込み型除細動器、3.外科治療、などの治療法があります。これらは主に、薬物療法が効力を発揮しない場合に用いられることが多いです。
ペースメーカー
ペースメーカーというのは、徐脈性不整脈を治療する目的で体内に植え込む電気刺激装置です。心臓が一定の時間以上とまったままになったときに、器械がそれを感知し、自動的に電気的な刺激を発生して心臓の収縮をおこす、というのが基本的な原理です。
植え込み型除細動器
心室頻脈や心室細動など、きわめて重症度の危険な不整脈の患者さんに対して適応される治療法です。
小型化したセンサーつきの装置を胸部に直接植え込んでしまいます。心臓にいつでも、どこでも自動的に直流通電による電気ショックをあたえ、心臓の正しい動きをうながすものです。
外科治療
不整脈が発生する原因となっている、病的な回路を外科的に切断したり、除去する目的でおこなわれる治療法です。

不整脈の診断と検査

不整脈が起こった場合、動悸を感じたり、胸部に不快感を覚えることがある一方で、何の自覚症状もなく、心電図などで検査してみてはじめて不整脈が起こっていることが発見されることもあります。また、不整脈の場合、必ずしも検査をしたそのときに発生して発見できるとは限りません。ときどき発生するものや、発作のように一定の時間に限って持続するものがあるからです。また、不整脈の発生には、精神的な要素も大きく関与していることから、ご自宅でのんびりとくつろいでいるときに感じるものの、いざ、病院で検査をするとそのときには現れず、発見できないこともあります(逆の場合もあります)。
不整脈の検査と診断には、一般的に心電図検査が用いられますが、心電図を記録する時間は通常、長くても数十秒以下であることから、たまたま不整脈がそのときに起きた、あるいは常時起こっているという場合でない限り、発見は難しいのが実情です。
そのため24時間の心電図を連続して記録する携帯の「ホルター心電計」が使われます。最近では、かなり普及してきていますが、これをもちいても、この機器を携帯している24時間内に不整脈が発生しなかった場合は、やはり発見できません。
したがって、診察を受ける際には、すでに心電図検査をおこなったことがある方は、いつ検査をおこない、どのような結果であったか、などの情報を医師に伝えることが、検査の無駄を省き、医師の診断を助けとなります。

不整脈の症状

心臓の収縮のリズムが乱れた状態を「不整脈」といいます。不整脈が生じると、「動悸(どうき)」を感じたり、胸に不快感や息苦しさを覚えます。動悸というのは、心臓の拍動を自覚することをいいます。
不整脈の症状は、不整脈の種類によって異なります。一般的には、心電図などで検査してみると不整脈が起こっていても、特別な症状がないという場合も多くあります。
また検査するといっても、不整脈の場合、いつ検査しても現れる場合と、ときどき思いついたように発生するもの、また発作のように一定の時間に限って持続するものなど、その形態や頻度はさまざまです。そのため、ご自宅などで生活していて、動悸を感じたために病院にいって心電図検査を受けたものの、不整脈が発見できない、というケースが多々あります。
また、不整脈の出方には、精神的な要素も大きく関与しています。そのため、病院では現れるがご自宅では現れない、逆にご自宅でのんびりとくつろいでいるときや安静時に現れるものなど、さまざまです。
「動悸」を感じ、脈が突然、乱れた場合に、疑われる病気に以下のものがあります。その主な症状をあわせてご紹介します。いずれも内科、循環器科を受診し、正確な判断を求められることをお勧めします:
●期外収縮・・・脈が飛ぶような感じを伴う。
●発作性頻脈・・・急に脈が早くなる。
●発作性心房細動・・・脈が乱れ、胸部に不快感がある。
●房室ブロック・・・脈が遅くなる。
●高度の徐脈・・脈が遅くなる。

不整脈の起こる仕組み

不整脈(ふせいみゃく)とは、心臓の収縮のリズムが乱れた状態をいいます。脈の乱れや胸部の不快感などを伴い、当人にとってはつらいことも多いのですが、治療の必要がないもの、あるいは、重篤な疾患・・・心臓病や呼吸器障害など、の兆候のこともありますので、医師の診断を受けることが必要です。
心臓は、心臓自身が「刺激」を出し、それが伝えられることによって、収縮と拡張を繰り返します。この刺激は、心臓の右心房(うしんぼう)というところの筋肉の一部である「洞結節(どうけっせつ)」というところから発せられます。洞結節から発せられた刺激は、次の1~5の順序で伝えられます:
1.洞結節 2.心房(しんぼう) 3.房室結節(ぼうしつけっせつ) 4.ヒス束(ひすそく) 5.心室中隔(しんしつちゅうかく)を走る左右の脚(きゃく) 6.左右の心室(しんしつ)
洞結節から発せられた刺激が心房に伝わると、心房が、そして心室に伝わったときには、心室が、それぞれ収縮するのです。
心臓が正常に機能している場合には、こうした刺激が規則的に発生し、上記の回路を伝ってその1回ごとに心室まで滞ることなく心室まで伝えられます。こうして正しい収縮が起こり、その後、一定の時間をおいて拡張していくのです。
通常、成人では安静時に1分間に50~70回前後の規則的な収縮、拡張が繰り返されます。ところがこの刺激が規則的に発生しなくなく、その伝達回路になんらかの支障が生じると、心臓の収縮、拡張のリズムがくずれ、「不整脈」になるのです。

動悸や息切れ

わたしたちは、日常、ふつうに生活しているとき・・・過激な運動をした場合は別にして、特に、安静にしているとき・・・には、自分の心臓の拍動を自覚しません。
「動悸(どうき)」とは、心臓の拍動を自覚することをいいます。
安静時に突然、動悸を感じた場合にまず考えられる理由は、心臓の「不整脈(ふせいみゃく)」です。不整脈とは、心臓の収縮のリズムが乱れた状態をいいます。脈の乱れや胸部の不快感などを伴い、当人にとってはつらいことも多いのですが、治療の必要がないものもあります。その一方で、重篤な心臓病の兆候のこともあります。
不整脈と考えられる疾患
心臓病や呼吸器疾患の場合には、動くと動悸や息切れを感じることがあります。
また、バセドウ病や褐色細胞腫などの内分泌疾患でも動悸を感じることがあります。
心臓神経症や自律神経失調症の場合、特に心臓に障害はなく、不安やストレスによって
動悸およびそのほかの症状があわれます。
動悸や息切れを感じた場合には、そのほかの症状・・・発熱、胸痛、顔色の変化、および咳などの症状に注意して観察してください。たとえば、夜中に突然、咳き込み、息苦しいといった症状がある場合、気管支喘息あるいは心臓喘息の発作である可能性が考えられます。のどがゼーゼーとして、痰が絡まったような咳が出るのが特徴です。
そのほかにも、重篤な糖尿病や尿毒症、脳の呼吸中枢の異常などで特有の呼吸の症状が現れることもありますので、専門の医師の診察を受けることをお勧めします。